先日の林道ツーリングで細く続く尾根道を走った際、うっかり走行ラインを読み違えて斜面に落ちてしまい、どうにも尾根に戻れず苦しい思いをしました。
そうした時のために以前から数メートルのロープ(トーイングストラップ)を携行しているんですが、上手く活用できませんでした。ひっくり返ったマシンは、ハンドルやホイールを手で掴んで上げられない状態なら、ロープを掛けたところでやっぱり上げられないんです。しかし、今回のケースでは、支点にできるはずの立木が周囲にたくさん。ロープが上手に活用できないのは実に悔しく、頭に来ました。
そこで、クライマーやレスキュアー、カヤッカーなどが使う「メカニカルアドバンテージ」の技術を覚えておきたい。とくに、カヤッカーが水流に捕まったボートを引き剥がすような際に良く使うという「Zドラッグ」の技がイケてる?気がするので、ぜひ応用したいと思うのです。
注目のZドラッグ(Zドラグとも発音?)は、ロープとプーリーを組み合わせた3倍力システム。1の入力で3の力を発揮しようという仕掛けです。150キロの荷物をひとりで10メートル吊り上げられる軽量なZドラッグシステムを組みたいんだと登山用品屋で相談して、まず道具は揃いました。
10メートル強のスタティックロープ1本、プーリー2個、アッセンダー1個、オーバル型カラビナ2枚、環状スリングロープ少々。補助用カラビナ少々。以上が装備一式バージョン1.0です。
ロープから手を離すとマシンがズリ落ちるのでは何かと具合が悪いはずなので、頂点に使うプーリーはセルフジャミング型と呼ばれるワンウェイのブレーキ付き(ペツルのミニトラクション)にしています。アッセンダー(ワイルドカントリーのロープマン)は最低限必要なものではないですが、小さいほうのプーリーを少しでも高い位置に固定してロープの長さを節約するための小道具。グローブは大きさの比較用です。
上記の装備一式を、現場では上の写真のようにシステム化します。
画面上のほうにある机の足は固定物、つまり立木のつもり。画面の下のほうにあるロープの端をマシンに引っ掛け、画面右上のほうのロープを引けば、助けが2人来てくれたかのような力でマシンは持ち上がる見込み。
本当にそんなに上手くいくのかどうか、近々、実車で練習してみたいと思います。楽しそう!
2010年5月12日水曜日
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こんばんわ~
返信削除これ、いいですねぇ。T-ランドチャレンジではhamac氏が大きいのでハマル予定なので、早速使えますね!
いいの見つけてきましたね~、なるほどの3倍力システムです。僕の滑車を組み合わせれば6倍力になりますね。(ニヤリ)
返信削除それにしても誰かさんがハマルなんてヒドいこと言う人がいるな~。(笑)
>DR750Sさん
返信削除カヤックなど他の分野では頻繁に使うようなワザではないはずなんですが、たしかに、すぐ気軽に使っちゃう気でいます。
僕が真っ先にハマる予定ですけどね〜。
>T代さん
返信削除そう、あと1つ動滑車を追加してロープの長さが足りれば、なんと6倍力になるんですよね。
クライミング用品は極限まで軽くて強く、恐るべしです。
ちょ、ハマる予定って…御願いします。
返信削除面白いですね、参考にさせて頂きます。
返信削除ハマるような所には行けませんが、林道で落ちる事はあるかもしれないのでね。
>hamacさん
返信削除こちらこそです(笑)
仲間がいるときは安心ですよね。
>JJさん
ほんと面白くて実用的だと思います。
もうちょっとケンキューしてみます。
TBIのときにこれがあれば!(笑)
返信削除それにしてもナイロンザイルって無駄に強すぎですよね。耐荷重2トンとかいらない。2ミリ径で耐80キロってのがあるので動滑車もバイクに繋ぐようにすれば(2ミリのロープなら多少長めに持っても大したことない、と思う)良いかなとか、摩擦摩耗のダメージが怖すぎるかなとか、2ミリといっても30mも持つと取り回し悪すぎとか、考慮中。
続報、期待してます。
>慶山さん
返信削除こうした仕事には伸び率の小さなロープを使えと店でアドバイスをもらいまして、写真の黒い10mm径ロープは静荷重時の伸び率が3.5%のものです。
細引きやパラシュートコードは多分アウトではないかと…。
初めまして。
返信削除「メカニカルアドバンテージ」
初めて知りました。
林道や山道をソロで走ることが多いので、
参考にさせて頂きますね。